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2013年12月7日土曜日

ソリューション 「組み合わせ」でなく「すり合せ」

クルマが“パソコン”になる日
にもあるように、電気自動車により、自動車がコモディティ化してしまう可能性があるという。

エンジンは「すり合せ」技術が難しく参入障壁が高かったが、電気自動車になると「組み合わせ」技術で自動車が作れてしまう。実際、高速な電気自動車を作った会社は小さな会社だった。
自動車メーカでなくても自動車が作れる世界になてしまうと、日本の自動車業界はどうなってしまうのだろうか。

「組み合わせ」よりも「すり合わせ」か
この記事の「組み合わせ」と「すり合せ」の分析が秀逸だ。

IT業界における「ソリューション」とは、正に「すり合せ」技術の提案することである。
ユーザ「業務フロー」に「ソフトウェア」を「組み合わせ」て利用するだけでは、業務改善はなかなか行えない。ソリューションでは、そこで「すり合せ」を提案して、より効果的な「業務フロー」改善を提案することである。

ソリューションを提供してる会社だと謳ってる会社で、本当にソリューションを提供している会社はいったいどれだけあるだろうか。

ソリューションのパターン

ソリューションには大きくわけて3つのパターンがある。
1. 「箱売り型」ソリューション
単にソフトウェアを提供するだけのパターン。まったくもってソリューションではないのだが、多くの場合この「箱売り型」になってる状況である。

2. 「請け負い型」ソリューション
お客様の話しを聞き、それに答えるのがソリューションだと勘違いしているパターン。
お客:「こうしてくれないか」
営業:「はい、わかりました。」
の繰り返し。
これは、無償で「請け負い」開発をしてしまうパターン。
これでは業者が赤字を喰らってしまう。

3. 「提案型」ソリューション
お客様の話しから課題を見つけ、改善提案するパターン。これが本来のソリューションなのだが、これが出来てる会社って本当に少ない。改善提案のアイデアっていうのは、本当に難しい。営業やコンサルタントのセンスに寄るところが多いからである。

構造的にはこうなる。

1.「箱売り型」=「組み合わせ」
2.「請け負い型」=「組み合わせ」+α
3.「提案型」=「すり合せ」

1. 2. → コモディティ化
3.   → マーチャンタイズ化(差別化)

1.2.ではコモディティ化してしまうので、価格競争に陥って、業者は疲弊してしまう。ユーザもコストをかけて導入した割には業務改善を行えないという状況だ。
「提案型」こそ、顧客満足度を上げる手段であり、ユーザとIT業者が共存できる構造だろう。

ただ、「すり合せ」技術はアイデア次第なので、優秀な営業やコンサルタントが必須というところが難しいところである。

(参考)電気通信事業のコモディティ化とマーチャンダイズ化
(photo: puzzle by INTVGene)

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